医療保険には大きく分けて2つのタイプがあります。
それは「掛け捨て型」と「貯蓄型」です。
「使わなかった保険料が戻ってくる」この言葉を聞くと貯蓄型の医療保険の方が掛け捨ての保険に比べて良く感じる方も多くいらっしゃるかと思います。
ただ、インターネットで調べると「医療保険は掛け捨てがおすすめ」とあり、本当はどちらがいいのか悩んでいるのではないでしょうか。
どちらのタイプにも一長一短があり、端的に「こっちのほうが良い!」と断言することはできません。
結局のところ保険の良し悪しは「その人の考え方に合っているかどうか?」というその人自身の基準で決まるところがあります。ではどのように判断したら良いのかと双方のメリット・デメリットを理解し自分のニーズに合っているか確認するしかないと思います。
今回は医療保険の「掛け捨て型」と「積み立て型」の特性として、それぞれののメリット・デメリットをお伝えしていきます。
「掛け捨て?貯蓄型?どちらの医療保険にしたらよいのだろう…」と悩まれている方の参考になればと思います。
掛け捨て型の医療保険とは?

支払った保険料について
医療保険に加入すると、保険料の支払いにより病気・怪我などに対する保障を受けることになります。
掛け捨て型の医療保険には、基本的に解約返戻金がありません。
保険を解約した時に解約返戻金がないのが掛け捨て型保険の特徴の1つです。
2つのタイプ
掛け捨て型の医療保険には2つのタイプがあります。
それが終身タイプと定期タイプの2つです。
終身タイプとは保障が死亡するまでの一生涯続くタイプの保険の事をいいます。
保険料の支払いについては一生涯の支払い(終身払い)にすることも年齢を決めて一定期間の支払い(〇〇歳払い、〇〇年払い)とすることもできます。
定期タイプは、5年・10年などとあらかじめ定めた期間中に病気や怪我をした場合、保障が受けられるタイプです。
保険期間中に保険金支払いがないことも考えられるため、終身タイプに比べて保険料は安く設定されることが多くなっています。
5年・10年などのあらかじめ定めた期間が来た場合は更新となります。
貯蓄型の医療保険とは?

支払った保険料について
貯蓄型の医療保険には、貯蓄と医療保障の2つの機能を備えています。
一定期間この保険に加入することで病気やケガなどで給付金の受取りがなかった場合などは
支払った保険料の一部もしくは同等の金額に該当する還付金または一定金額を受け取れます。
保険期間中に解約するケースであっても、多くの場合には解約返戻金が支払われます。
しかし多くの場合は払い込んだ保険料より少なくなっているので注意が必要です。
貯蓄のタイプについて
保険会社によって保険料の一部が積み立てられ、解約時や満期時に払い戻される仕組の商品や
所定の条件を満たした場合に、一定期間ごとにボーナスなどが受け取れる場合もあります。
入院給付金等の受取りがなかった場合、所定の年齢までに払い込んだ保険料の全額が戻ってきます。
また給付金等の受取りがあった場合は給付金分を差し引いて戻ってきます。
注意:各種特約部分の保険料は掛け捨てとなります
・お祝い金
一定期間健康で過ごしていた場合に給付金として数万円のお金が戻ってきます。
何年ごとに受け取れるのか、いくら受け取れるのか、受取りの条件などは保険会社ごとに異なってきます。
貯蓄型の医療保険の例
それでは貯蓄のタイプごとにどのように受け取り方が変わってくるのかを見ていきましょう。
いまからお見せするのはあくまでも一例です。
年齢、性別、保険会社によって保険料や受取金額、受取り年齢は異なります。
あくまでもこんな感じのものなのかという感じで見てもらえたらと思います。
健康還付給付のケース
性別:男性/入院給付金日額:5,000円/保険期間・保険料払込期間:終身/
60日型/手術給付金給付倍率:Ⅰ型/死亡保険金の給付倍率:0倍
健康還付給付金受取対象年齢:70歳
月払い保険料:2,890円
70歳までに病気やケガでの入院や手術がなく給付金等の受取りがなかった場合、
2,890円×12ヶ月×40年=1,387,200円
上記の金額を受け取ることができます。
注意:保険料払込免除事由に該当していない場合に限ります。
事例:60歳でガンが見つかった場合
→健康還付給付金は60歳に繰り上げられ
それまでに払い込んだ保険料の使わなかった分を受け取れます。
お祝い金のケース
性別:男性/入院給付金日額:5,000円/保険期間・保険料払込期間:終身/
60日型/手術給付金.入院10万・外来2.5万/お祝い金(5年)
月払い保険料:2,145円
(うちお祝い金特約部分:675円)
675円×12ヶ月×5年=40,500円
今回のケースでは5年おきに健康祝金として5万円受け取れるので
40,500円支払い50,000円を5年おきに受け取れることになります。
注意していただきたいのが健康祝金は必ず受け取れるわけではありません。
保険会社によって条件は異なる場合がありますが条件の一例としてはこのようなものがあります。
→継続10日以上の入院がなければ、最長90歳まで5年おきに受け取れます。
メリット・デメリットについて

ここまでは保険の基本的な仕組みをお話ししてきましたが結局、何がメリットで何がデメリットなの?と思われた方も多いかと思います。
なのでここからはそれぞれのメリットデメリットをまとめていきたいと思います。
掛け捨て型の医療保険のメリット
・毎月の保険料の負担を比較的抑えることができる
貯蓄性のある保険と比べて保険料を比較的抑えることができるのがメリットの1つです。
貯蓄性のあるものでは“貯蓄分=将来的に契約者へ払い戻すお金”を保険料に上乗せしているので、掛け捨てのものと比較すると保険料が高くなる傾向にあります。
保険料を重視するスタンスで医療保険を検討している方には、掛け捨て型は適しているとも言えるでしょう。
・商品数が多い
掛け捨ての医療保険は商品数が多く、保障のバリエーションが多彩です。
掛け捨ての医療保険はほとんどの保険会社が取り扱っています。
そのため自分自身にあった保障内容の保険を選んでいくことができます。
貯蓄性のある医療保険を取り扱っている保険会社はまだ少なく、貯蓄性を優先すると希望の保障を持つことができない場合もあります。
数多くの商品を比較・検討しながら、医療保険を検討したいというニーズをお持ちの方に合っているといえます。
・保険の見直しがしやすい
貯蓄型の場合、満期などの一定のタイミングで解約しなかった場合、
支払った保険料よりも少ない解約返戻金しか受け取れないことがほとんどです。
結果として損してしまったと感じることも少なくありません。
一方掛け捨ての場合、途中で解約したとしても返戻金が少なくなるといったデメリットはありません。
もし自分に合った新しい保険が出たとしても迷うことなく考えていくことができます。
掛け捨て型の医療保険のメリットまとめ
・商品数が多い
・保険の見直しがしやすい
掛け捨ての医療保険のデメリット
・保険料が掛け捨てである
掛け捨てという言葉の通り途中で解約をした場合などに解約返戻金は戻ってきません。
給付金を受け取れるのは、病気やケガをして所定の状態に該当したときのみです。
人それぞれの考え方次第ですが、病気やケガになるリスクは極めて低い。それならば、掛け捨ての医療保険はお金のムダだという見方もできないことはありません。
このように掛け捨ての特長をデメリットに感じる方は、掛け捨て型の医療保険は避けた方がいいと思われます。
掛け捨て型の医療保険のデメリットまとめ
貯蓄型の医療保険のメリット
・支払った保険料が無駄になりにくい
貯蓄型の一番のメリットは病気やケガなどで給付金を受け取れなかった場合でも
保険料がすべて無駄になることがないということでしょう。
掛け捨て型の場合、入院や手術をしなければ、給付金を受け取ることはできません。
金銭面だけで判断する極端な言い方をすれば掛け捨て型は加入中に病気やケガを一切しなかった場合、毎月支払う保険料は無駄になってしまいます。
しかし貯蓄型の場合、病気やケガせずに健康に過ごしたとしても
健康還付金や満期保険金、解約返戻金があるため保険料が全て無駄になることはありません。
・貯蓄として活用できる場合もある
貯蓄型の医療保険は使い方、考え方によっては一種の貯蓄として捉えることもできます
あくまでも入院や手術をせず給付金を受け取らなかった場合に限りますが
貯蓄型の医療保険は何歳の時にどのくらいの返戻金があるのかの目安は知ることができます。
そして、その戻ってくる保険金を一種の貯蓄だと考える見方も可能です。
ですが貯蓄型の医療保険は金利などがつかないことも多いので、
本当に貯蓄の方法として相応しいのか、自分の目的や状況と照らし合わせて吟味すべきです。
・実質負担保険料を軽減することができる場合もある
すべての貯蓄型の医療保険に当てはまるわけではありませんが、
お祝金を付加した場合、お祝金を受け取る都度その期間の保険料をつけなかった場合と比べて
保険料を抑えることができたということになります。
どういうことかを上記の例を用いて解説します。
保険料:1,470/月
5年間の総支払:1,470×12ヶ月×5年=88,200円
②お祝金ありの場合
保険料:2,145/月
5年間の総支払:2,145円×12ヶ月×5年=128,700円
お祝金:50,000円
128,700-50,000=78,700円
このようにお祝金を受取った場合、支払う保険料を抑えることができます。
貯蓄型の医療保険のメリットまとめ
・貯蓄として活用できる場合もある
・実質負担保険料を軽減することができる場合もある
貯蓄型の医療保険のデメリット
・比較的保険料が高い
健康還付金や満期保険金、解約返戻金などの貯蓄部分がある分、
保険料も掛け捨てのものと比べて高い傾向にあります。
簡単に言うと入院や手術を保障する部分の保険料に、貯蓄部分の保険料が上乗せされている、というイメージが近いでしょう。
自分で支払った保険料を使わなかった場合は時を経てそのまま戻ってくる、と言いかえても良いかもしれません。
上乗せの分、掛け捨て型よりも毎月の保険料の負担は大きくなる傾向にあります。
・商品数が少ない
医療保険はほとんどが掛け捨ての保険であり貯蓄型の医療保険を取り扱う保険会社はまだまだ多くありません。
また保障内容のバリエーションは多いとは言いがたいのが現状です。
医療保険を選ぶ上では貯蓄性より保障内容で考えていきたいという方にとってはあまり得策ではないかもしれません。
・中途解約時のデメリットが大きい
貯蓄型の医療保険といっても常に支払った保険料と同額の解約返戻金があるわけではありません。
「一定の期間まで保険を継続する」「所定の年齢まで健康に過ごす」といった条件があり、
それを満たして初めて満期保険金や健康還付金を受け取ることができます。
その条件をクリアできなかったときには支払った保険料よりも受け取る返戻金の方が少ないことがほとんどです。
貯蓄型の医療保険のデメリットまとめ
・商品数が少ない
・中途解約時のデメリットが大きい
まとめ

ここまで掛け捨て型と貯蓄型の医療保険を紹介してきました。
掛け捨て型は保険料が安く見直しがしやすい点に対し、貯蓄型は保険料を無駄にしにくく貯蓄を形成しながら医療保障を受けられる点にそれぞれメリットがあるといえます。医療保険を選ぶ際には、保険料と保障内容のバランスを考えて検討するようにしてください。
おおよそのメリットとデメリットはお伝えしましたが、実際に保険を考えていくとなると
すでに加入中の保険があるのかどうか?年齢はいくつくらいなのかどんな仕事をしどんな職業についているのか?家族構成は?という情報を元にライフプランを考えた上で検討していくことをおススメします。
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